SNE Athletes

SNE Athletes blog

陸上競技クラブチーム"SNE Athletes"の公式ブログ

#14 本を感じる体験を提供するハコ-海老名市立中央図書館

体験を提供するとはこのことかと、そう感じた時間だった。

 

海老名市立中央図書館。そこはTSUTAYAやTカードでお馴染みのCCCが海老名市とタッグを組んで運営している、本を感じる体験ができる空間だ。

 

 

ebina.city-library.jp

 

f:id:sneathletes:20190109091404j:plain

海老名中央図書館-蔦屋書店-2015年設立 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下CCC)が手掛ける、閲覧図書と販売図書を、スターバックスコーヒーが併設された空間で楽しめる官民一体の施設。

 

 

元々図書館として利用されていた築30年の建物の中を改装しただけあって、ワンフロアが非常に広い。そのお陰か平積みになっている本が多い。フロアの中心は今話題になっている書籍や海外関係の書籍が数多く平積み、若しくは立て置きになっていて、ビジュアル面では申し分無しだ。

 

雑誌エリアも充実しており、特に壁に何段も立て掛けてあったのが印象的だった。

ちなみにそのうちのデザイン関係の書籍を私自身も手に取り、購入してしまった。

 

 

f:id:sneathletes:20190109085759j:plain

心にササるチラシデザイン-玄光社(2017) 広告作品を数多く掲載し、解説したデザインブック。パラパラ捲るだけでも言葉の使い方、余白の雰囲気などが感じ取れる。

 

 

 

更に館内にはスターバックスコーヒーが併設されており、借りた・買った本をコーヒーやフラペチーノ,ケーキ等を楽しみながら読むことができる。実際に私も利用した。もちろん勉強やPC利用をしている人も数多くいたが、蔦屋書店で買った雑誌を捲っている人や、図書館で借りたであろう難解そうな書籍に耽っている人も多かった。

 

そういった本を探し、手に入れて、感じるといった一連の体験を、この施設のみで完結することができる点は今までの図書館には無かった。この"感じる"といった点が重要である。コンテンツ氾濫時代と言われて久しいこの時代で、人々に書籍というコンテンツに目を向けてもらうための施策とこの施設は真摯に向き合っている。

 

私がデザインの本を購入した際の蔦屋書店員さんとの会話で、そのことを更に深く分かると思う。

 

 

 

 

「デザインやられているんですか?」

 

-最近始めました。コピー広告ですけど、どうせやるなら完成度を高めてみようと思って。雑誌コーナーに立て置きされていて見栄えも良かったので手に取ってしまいました。

 

「最近の本はデザイン系に限らず、文芸やビジネス書でも装丁に凝ってますから、ビジュアル良く魅せるのに拘って配置しているんですよ。いつもご来館なさっているんですか?」

 

-いえ、初めてです。蔦屋書店さんと官民一体で運営されている図書館があると聞いて、興味を持って足を運んだんです。

 

「そうでしたか、ありがとうございます。本をよくお読みになるのでしたら、土日に足を運んでみませんか?毎週何かのテーマに沿って市民の方々が本を持ち寄り、紹介するイベントがあるんですけど、なかなか広まらなくてね(笑)」

 

-参加したい!! けど実は土日は仕事なんです。火曜水曜がお休みで、この曜日にしか来られないんですよ。土日は結構盛況なんですか?

 

「平日でも見ての通り、かなりの人にご来館いただいておりますが、土日はもっと凄いです。キッズスペースも充実しているため、子連れのお客様も多くいらっしゃいます。マルシェやピアノコンサートも開催していて、図書館という施設が市民の方々の交流の場となるように、様々な試みをしています。

 

特にピアノコンサートは、司書が選んだ本のイメージに合うような曲を奏者が演奏してくれるというものです。このように本は読むだけでなく、五感で感じるものなんだなと多くの人に知っていただければ、まだ書籍にも活路はあるのかなと、私は信じております。

 

-興味深い話、ありがとうございます。よろしければ今のお話、私が書いているブログに書かせて頂きたいんですけど、いかがですか?(笑)

 

「どうぞどうぞ(笑)できればテーマに沿って本を紹介するイベントをもっと広めて欲しいので、どんどん書いてください。」

 

-ありがとうございました。

 

 

 

初対面の私にもこのような話を自然としてくださるあたり、素晴らしい書店員さんだったと思う。

 

本を感じる体験を提供するというのは、日頃からあまり本を読まない人にとっては良いアプローチかもしれない。出版業界は厳しいと言われ始めてからかなり年月が経ったが、このような施設が増えると、もっと書籍に親しみを持つコミュニティができ、書籍の新しい時代がやってくるかもしれない。

 

 

 

 

競歩界でも同じようなことができるのではないか?と私は思ったのであった。

 

 

 

※元旦競歩大会の結果は、次回以降に執筆するインタビュー記事をもって換えさせて頂きます。