#6 競歩2.0 序章
日本競歩界はここ数年,史上最高に盛り上がりを見せている。
続く2016年のリオデジャネイロオリンピック男子50km競歩で荒井広宙選手(自衛隊体育学校)が銀メダルを獲得,待ち焦がれたオリンピックでのメダルだった。
更に翌年,ロンドン世界陸上の男子50km競歩では荒井選手,小林快選手(ビックカメラ),丸尾知司選手(愛知製鋼)がそれぞれ2,3,5位という,出場選手全てが入賞し,金メダルこそ届かなかったが表彰台に日本人が2人並んだ。
そしたつい先日,世界競歩男子50km競歩で,荒井選手,勝木隼人選手(自衛隊体育学校),丸尾選手の3名で表彰台を独占した。史上初の快挙だ。更に池田向希選手(東洋大2)が男子20km競歩で圧巻のスパートを見せつけ,それまで勝ちきれなかった20kmという距離で優勝,世界的には若干20歳のダークホースとして名を馳せた。
競歩界はさぞ盛り上がったことだろう。
だが世間はどうだ?
テレビで一部取り上げられたが,世界卓球や芸能界のスキャンダルの方が遥かに大きく取り上げられていて,世間では微妙な反応だ。世界競歩で表彰台独占を果たしたと周りに言っても,返ってくるのは”普通”の言葉,「すごいね」。
日本のracewalkerたちよ。これで良いのか?
”マイナーだから"で終わらせて良いのか?
競歩は本当にただきついスポーツか?
“競歩の強み”は何だ?
みんなが口を揃える良さが競歩にはある。
トップ選手のbuzzに頼るだけじゃだめだ。
“競歩だし”という諦観を持つのはやめよう。
どのレベルのracewalkerにもできることはあるはずだ。
ここに競歩2.0を宣言する。